左主気管支が嚢状拡張したBronchomegaly(Mounier-Kuhn症候群)の1例

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タイトル別名
  • A Case of Left Main Bronchomegaly (Mounier-Kuhn Syndrome) with Cystic Enlargement

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抄録

背景.左主気管支のみが著明に嚢状拡張したBronchomegalyの1例を経験した.症例.62歳女性.1歳時にピーナッツを左主気管支に誤嚥し,経気管支的に摘出された既往があると母から聞かされていた.以前よりの咳嗽,喀痰を主訴とし,胸部X線写真で左中肺野に浸潤影を認め,胸部CTで左主気管支の著明な拡張と左上葉に不均等陰影を認めたため当院紹介受診となった.気管支鏡検査で左主気管支入口部から上下葉分岐部まで,膜様部が嚢状に拡張していた.軟骨輪は保たれていたが,気管支粘膜は発赤し,縦走襞は消失していた.咳嗽時に左主気管支内腔は狭小化した.結語,Mounier-Kuhn症候群は気管及び気管支の拡張を呈し,慢性呼吸器疾患を伴うことを定義とするが,本症例は左主気管支のみ著明に嚢状拡張していた.幼少時の既往が,その発症に関与した可能性も考えられるが,その詳細は不明である.まれな症例と考え,若干の文献的考察を加え報告する.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 31 (6), 406-410, 2009

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (12)*注記

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