新しく開発した薄膜センサを用いた舌圧・口唇圧同時計測システムの構築およびその臨床応用

  • 丸山,和宏
    九州大学大学院歯学府口腔保健推進学講座
  • 上原,美智也
    九州大学歯学部付属病院口腔保健科矯正歯科
  • 原,淳
    九州大学歯学部付属病院口腔保健科矯正歯科
  • 名方,俊介
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
  • 中島,昭彦
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Construction of a measuring system of functional pressure from tongue and lips using the newly developed filmy sensor and its clinical application

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抄録

舌や口唇による習癖が顎顔面形態や歯列などの形態面のみでなく,咀嚼や発音といった機能の面においても大きな影響を与えることは広く知られている.本研究の目的は新しく開発した薄膜センサを用いた機能時の舌および口唇圧の同時計測システムの精度,およびその臨床応用の有用性について検討することである.まず圧変化および温度変化に伴う出力特性について検証を行った.その結果,本システムで用いるセンサはその出力特性において十分な感度と精度を有していることが示された.次に臨床応用の可能性を調べることを目的に,被験者の協力を得て水嚥下時のデータ採得を行い出力値の再現性について評価した.1.水嚥下時に採得した口唇圧,舌圧ともに良好な再現性が確認できた.2.正常咬合者群(成人女性7名,平均年齢22.4歳overbite+2.0-+2.5mm)と開咬群(成人女性7名,平均年齢21.2歳overbite-4.0--1.8mm)において水嚥下時の口唇圧に対する舌圧の比(舌圧/口唇圧比)を比較すると,接触時間比,最大出力値比,出力値総和比のすべてにおいて開咬群が正常咬合者群より大きかった.今回われわれが構築した測定システムは高い精度を有し,機能運動時における舌圧,口唇圧の同時計測が可能であり,臨床応用への有用性が示唆された.

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参考文献 (36)*注記

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