繊維状竹破砕物のカリ成分とマルチがダイズ品種フクユタカの生育と収量に及ぼす効果

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タイトル別名
  • Effect of applying K and mulching with crushed bamboo on the growth and yield of soybean (Glycine max L. Merr.) 'Fukuyutaka'
  • センイジョウ タケ ハサイブツ ノ カリ セイブン ト マルチ ガ ダイズ ヒンシュ フクユタカ ノ セイイク ト シュウリョウ ニ オヨボス コウカ

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抄録

本研究では,繊維状竹破砕物(竹粉)のマルチとそのカリ成分がダイズの生育や収量にどのような効果を与えるのか,また竹粉のカリ成分のみでダイズの収量を確保できるかを明らかにする目的で,ダイズのポット栽培試験を行なった.供試作物として,西南暖地の奨励品種であるダイズ(Glycine max L.Merr.)品種フクユタカと根粒菌Bradyryzobium japonicum USDA110を用いた.試験区として,窒素,リン酸,カリをポットの上層土壌に混合施肥した区である対照区,対照区にさらに竹粉を表面施用した竹表面区,窒素とリン酸だけを混合施肥した無カリ区,無カリ区にさらに竹粉を表面施用した無カリ+竹表面区の4処理区を3連で設けた.開花開始以降の最上位葉のSPAD値は,カリの無施肥区で高く,対照区で最も低く推移した.竹表面区では,9月中旬でカリの無施用区と同様になり,その後10月上旬まで最大値を示し,無カリ区では登熟期(10月中旬)に急激に低下し最低になった.子実重は,無カリ区で有意に小さく,竹表面区で有意に大きかった.総莢数,稔実莢数は,竹粉をマルチすることで有意に増加した.不稔莢数は,カリ肥料を施肥しないと増加し,竹粉からのカリ供給では減少させることはできなかった.完全粒数は,竹粉のマルチで有意に増加した.100粒重は無カリ区と無カリ+竹表面区で対照区より有意に低下した.これらのことから,竹粉のマルチは増収効果をもたらし,さらに竹粉に含有されるカリが,ダイズ生育にプラスの効果を与えるものの,竹粉に含まれるカリの量は標準に施肥される2割程度であり,この程度のカリの施用量では不十分であることが明らかになった.

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参考文献 (16)*注記

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