地域在住高齢者の生活空間の拡大に影響を与える要因:構造方程式モデリングによる検討

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  • The Correlates of Life-Space Mobility in Older Adults Using a Structural Equation Modeling

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抄録

【目的】構造方程式モデリングを用いて高齢者の生活空間の拡大に影響を及ぼす要因を明らかとする。【方法】対象は介護予防健診を受診した手段的日常生活動作が自立した高齢者322名(平均年齢74.0 ± 5.5歳,男性96名,女性225名)であった。測定項目は,生活空間の評価としてlife-space assessment(LSA)を調査し,LSAとの潜在的関連要因として一般健康状態,運動機能,物的・人的環境,趣味的活動の実施状況についての調査を面接にて実施した。分析は測定要因の相互関連性を明らかにするために構造方程式モデリングを行った。【結果】一般健康状態,運動機能,物的・人的環境をLSAに直接関連させ,趣味的活動を運動機能に関連させた最終モデルを構築した。LSAに対する一般健康状態,運動機能,物的・人的環境の標準化されたパス係数は,それぞれ-0.17(p < 0.05),0.11(p < 0.05),0.14(p < 0.05)となり,運動機能に対する趣味的活動の標準化されたパス係数は,-0.11(p < 0.05)であり,それぞれ有意な関係が認められた。このモデルの適合度の指標としたGFI,AGFI,RMSEAの値は,それぞれ0.93,0.90,0.06であり,統計学的に受容できる適合度であった。【結論】障害を持たない高齢者の生活空間の拡大を検討するうえで,一般健康状態と運動機能に着目した評価と指導が重要な役割を担うものと考えられた。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 36 (7), 370-376, 2009-12-20

    日本理学療法士学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (29)*注記

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