重症破裂脳動脈瘤急性期治療の実際とその成績について(<特集>脳動脈瘤治療のトピックス)

  • 栗田 浩樹
    杏林大学医学部脳神経外科・脳卒中センター
  • 佐藤 栄志
    杏林大学医学部脳神経外科・脳卒中センター
  • 塩川 芳昭
    杏林大学医学部脳神経外科・脳卒中センター

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment Strategy, Management and Clinical Outcome of Patients with Poor-grade Subarachnoid Hemorrhage(<SPECIAL ISSUE>Topics of Therapy for Cerebral Aneurysms)

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抄録

過去14年間に経験した重症SAH(WFNS grade IV-V)801例を対象に,1994〜2000年の前期と2001〜2007年の後期に分けて治療成績を比較した.原則的に脳幹反射消失例や低酸素障害の付加例以外はclip firstで外科治療の対象とし,後期では高齢者や後方循環瘤でcoilを積極的に適応し,またプロトコールにより治療を標準化した.その結果,後期では外科治療の対象が増え,脳血管攣縮の頻度が減少した.外科治療後の予後良好例は,前期28%,後期34%であった.予後規定因子は来院時の重症度と年齢であり,治療手段による差はなかった.治療の標準化とcoilの適応拡大により,重症SAHの治療成績は近年改善傾向にある.

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参考文献 (41)*注記

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