酸性雨・土壌を対象とした環境教育実践の動向と高校生の実態調査

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タイトル別名
  • Recent Trend of Environmental Education on Acid Rain and Soil, and the Survey of Current Status of Upper Secondary School Students
  • サンセイウ ドジョウ オ タイショウ ト シタ カンキョウ キョウイク ジッセン ノ ドウコウ ト コウコウセイ ノ ジッタイ チョウサ

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抄録

<p>高等学校化学における実践を前提として,酸性雨と,酸性雨の土壌への影響を扱った環境教育に関する調査・研究を,次の3点について行った。I.国内における酸性雨・土壌の環境教育教材としての取り扱いについて,文献を調査し,研究動向を明らかにした。II.小・中・高校の理科教科書における酸性雨・土壌の取り扱いについて調査した。III.高校生が酸性雨に対してどの程度の知識やどのような意識を所持しているかを質問紙法により調査した。以上3つの調査結果を総括すると,次のことが明らかとなった。(1) 酸性雨・土壌は多種多様な教材化研究が行われており,実際に授業で実践されている例も少なくない。しかし,実践ではpH等の簡易的な測定にとどまっている。(2) 多くの教科書に酸性雨に関する記事が掲載されており,特に,酸性雨による被害については写真が多用されている。また,酸性雨についての科学的な説明は,小・中学校の教科書には発達段階に応じた内容が記載されているが,高校教科書では中学校教科書と同程度の内容にとどまっている。(3) 高校生は,酸性雨の原因や被害等の知識は豊富に持っているが,pHや溶存イオン等の科学的な知識はあまり持っていない。また.酸性雨に対し危機感は持っているものの,それを解決するために自身の行動を起こそうとする意欲は薄いという実態が明らかとなった。</p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 49 (2), 67-80, 2008-11-30

    一般社団法人 日本理科教育学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (17)*注記

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