右B^2転位気管支・分葉不全を伴う右上葉肺癌に対して完全鏡視下肺葉切除術を施行した1例

  • 大角 明宏
    独立行政法人国立病院機構長良医療センター呼吸器外科
  • 田中 亨
    独立行政法人国立病院機構長良医療センター呼吸器外科
  • 大角 潔
    独立行政法人国立病院機構長良医療センター呼吸器外科
  • 加藤 達雄
    独立行政法人国立病院機構長良医療センター呼吸器科

書誌事項

タイトル別名
  • Total Thoracoscopic Right Upper Lobectomy for Lung Cancer with a Displaced Right B^2 Bronchus and Incomplete Lobulation

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抄録

背景. 完全鏡視下手術は視野の確保のみならず操作手順にも工夫を要する. 症例. 56歳,男性.検診にて右上葉に約20mmの腫瘤を指摘され,術前診断が得られなかったため開胸生検による確定診断に続けて完全鏡視下右上葉切除術を施行した.術前の気管支鏡検査において右B^2気管支の転位が確認されており,CT所見からも予想された気腫肺,分葉不全のため,葉間作成を最後に行う手順を選択した.V^<1-3>, A^<1+3>, B^<1+3>, A^2の処理後に,中間幹末梢側より分岐する転位気管支B^2を確保し処理した.最後に上下・上中葉間に対して自動縫合器により葉間作成を行った. 結論. 葉間作成を最後に行う手順で,容易に転位気管支の確保が可能であり,かつ気腫肺にも関わらず著明な肺瘻の発生を予防し得た.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 32 (2), 157-161, 2010

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (6)*注記

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