双極性障害における前視床脚の断面積減少 : 線維追跡法による研究

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  • Decreased Cross-Sectional Area of The Anterior Thalamic Peduncle In Bipolar Disorder : A Fiber Tracking Study

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抄録

大脳白質の統合異常が双極性障害の病理に関与しているという仮説がある。前視床脚は視床と前頭葉をつなぐ神経線維束であり、双極性障害の認知障害に関連している可能性がある。本研究でわれわれは、11名の双極性障害患者および15名の健常対照群から拡散テンソル画像を入手し、前視床脚の線維追跡を行うことでトラクトグラフィを作成した。前視床脚の断面積(CSA)、拡散異方性(FA)、みかけの拡散指数(ADC)を計測し、患者群と健常群とを比較した。健常群と比べ、患者群では右および左の前視床脚において断面積が有意に小さかった。ADCとFAとに関しては、患者群と健常群とで有意さは認められなかった。両群共に、CSA、FA、ADCは右上りも左の前視床脚の方が有意に大きかった。これらの所見は、双極性障害における、視床と前頭葉との間の白質の統合の乱れを示唆している可能性がある。両側性の神経発達不全が、双極性障害の病理と関連しているかもしれない。

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