神経症患児の両親の役割受容と親役割行動の特徴 : 子どもの精神的健康および家族機能評価との関連

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タイトル別名
  • The Features of Role Acceptance and Parental Role Behaviors of the Parents of Children with Neuroses
  • シンケイショウ カンジ ノ リョウシン ノ ヤクワリ ジュヨウ ト オヤ ヤクワリ コウドウ ノ トクチョウ コドモ ノ セイシンテキ ケンコウ オヨビ カゾク キノウ ヒョウカ ト ノ カンレン

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抄録

本研究は思春期の子どもを持つ両親の役割受容、親役割行動および子どもの精神的健康、子どもの評価した家族機能の神経症患児群の特徴と、患児群における両親の役割受容、親役割行動と子どもの精神的健康、子どもの評価した家族機能の関連について対照群と比較して明らかにすることを目的とした。2つの総合病院の小児看護外来に通院する小学校5年生から中学校3年生までの神経症患児と父親、母親14組を患児群とし、2病院が所在する市にある小学校1校の5、6年生、中学校2校の全学年の140組を対照群とした。その結果、仕事と家庭での役割受容は両親ともに2群で差がみられなかったが、患児群の父親は自信のない親役割行動をしており、患児群の母親は子どもに対する受容が低かった。また、患児群において父親が仕事と家庭での役割を受け入れているほど子どもの社会的活動障害が低く、母親の役割受容は子どもの各因子と関連がなかった。患児群の父親が子どもを受容し自信を持ち自立を促進しているほど子どもの精神的健康が高かった。患児群の母親においても自信を持ち自立を促進しているほど子どもの精神的健康が高かったが、母親の子どもに対する受容は患児の精神的健康とネガティブな関連があった。子どもの評価した家族機能は2群で差がみられなかったが、対照群は両親が受容的な親役割行動をとっていることが子どもの評価する家族機能を高めていると考えられたのに対し、患児群では関連がみられないことが特徴であった。

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参考文献 (35)*注記

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