総腸間膜症を併存した遊走脾茎捻転の1例

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タイトル別名
  • A Case of Torsion of Wandering Spleen with Mesenterium Commune

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抄録

症例は47歳の女性で,知的障害があり言語理解不能である.食欲不振と微熱,鼻出血を主訴に当院受診.身体所見にて下腹部に10 cm大の腫瘤を触知し,血液検査所見で播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation;以下DIC)と診断した.原因検索の腹部CTで,骨盤内に茎捻転を来し一部梗塞に陥った脾臓を認め,また上行結腸が所定の位置に同定できず総腸間膜症が疑われた.脾梗塞によるDICと診断し同日脾摘術を施行した.開腹すると4回転茎捻転した状態で癒着した脾臓を骨盤内に認め腹壁・膵臓との固定は全く認めなかった.また,十二指腸・膵臓・上行結腸・下行結腸・直腸に固定はなく総腸間膜症と診断した.手術は脾摘のみとし腸管固定は施行しなかった.遊走脾の茎捻転はまれな疾患であり総腸間膜症との合併は極めてまれである.今回,総腸間膜症を合併した遊走脾茎捻転の症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.

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参考文献 (21)*注記

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