重粒子線治療を併用して切除した直腸癌術後局所再発の1例

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  • A Case of Locally Recurrent Rectal Cancer Resected in Combination with Preoperative Carbon Ion Radiotherapy

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抄録

直腸癌術後局所再発の最も有効な治療法は外科的切除だが,高位仙骨に及ぶ場合,手術侵襲や術後障害が高度になる.一方,重粒子線治療は手術に匹敵する成績が示されつつあるが,腸管毒性による適応制限がある.今回,低位前方切除術後の吻合部と高位仙骨の局所再発に対し,重粒子線と手術の特性を考慮し併用による根治的治療を行ったので報告する.症例は62歳の男性で,2003年11月,直腸癌にて他院で低位前方切除術,D2郭清を施行され,f StageII,根治度Aであった.2008年2月,仙骨部痛を主訴に当科を受診した.画像所見および生検にて吻合部と仙骨S2-4の局所再発と診断した.4月より両病変に対し重粒子線治療(73.6 GyE)を開始し,7月に腹会陰式直腸切断術,仙骨S5・尾骨合併切除,小腸部分切除を施行した.組織学的効果判定はGrade 3で,重篤な合併症なく第46病日に退院し,術後13か月現在,再発なく経過している.

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参考文献 (26)*注記

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