20年間長期介在した気管支異物(魚骨)により慢性咳嗽と肺炎を繰り返した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Chronic Cough and Recurrent Pneumonia Due to an Intrabronchial Foreign Body (Fish Bone), Undiagnosed for 20 Years

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抄録

背景.繰り返す肺炎から偶然発見に至る気管支内異物症例の報告は散見されるが,本症例のように20年と長期経過を辿った例は稀である.症例.57歳男性.10年以上続く湿性咳嗽から前医にて慢性気管支炎として通院加療されていた.その間,度々肺炎を繰り返していた.今回右下肺野の肺炎を認め,当院へ紹介受診.胸部CTで右中間幹に高吸収域の線状影を認め気管支鏡検査を施行したところ,周囲に肉芽増生を伴う異物が存在した.その後の問診にて20年前に魚骨を誤嚥したことが判明した.抗生剤加療後に硬性気管支鏡を用いて魚骨を摘出した.結論.異物の長期介在例では,摘出時の合併症や肺に不可逆性変化を呈する場合があるため早期発見が望まれる.そのためにも,繰り返す肺炎や慢性咳嗽の原因として気管支内異物の存在を常に考慮する必要があると考えられた.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 32 (3), 269-273, 2010

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (14)*注記

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