腹腔鏡補助下脾合併膵体尾部切除術を施行した腹腔内デスモイド腫瘍の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Laparoscopy-assisted Resection of the Pancreatic Body and Tail with Splenectomy for Intra Abdominal Desmoid Tumor

この論文をさがす

抄録

今回,我々は術前診断に苦慮した腹腔内デスモイド腫瘍に対して,腹腔鏡補助下脾合併膵体尾部切除術を施行した1例を経験したので報告する.症例は21歳の女性で,開腹手術,腹部外傷などの既往歴,家族性大腸ポリポーシスの家族歴もなかった.腹部CT,MRI,超音波検査にて,膵体尾部表面から胃を前方に圧排するように発育する腫瘍を認めた.膵臓もしくは膵前筋膜より発生した良性腫瘍を考慮し,診断的治療目的で手術を施行した.腹腔鏡所見では,腫瘍は膵体尾部に存在し,腹膜播種,リンパ節腫脹,周囲臓器への浸潤はなかった.膵臓との剥離は困難で,腹腔鏡補助下に脾合併膵体尾部切除術を施行した.病理組織学的検査にて膵被膜より発生したと推測されるデスモイド腫瘍と診断された.デスモイド腫瘍は組織学的に核分裂像に乏しい良性腫瘍であるが,周囲浸潤性発育,局所再発ゆえ臨床的には良・悪性境界腫瘍に含まれ,今後注意深い経過観察が必要と思われる.

収録刊行物

被引用文献 (9)*注記

もっと見る

参考文献 (35)*注記

もっと見る

詳細情報

問題の指摘

ページトップへ