経静脈栄養離脱後4年でビタミンB_<12>欠乏性巨赤芽球性貧血を発症した短小腸の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Megaloblastic Anemia 4 Years After Weaning of Parenteral Nutrition in a Patient With Short Bowel Syndrome
  • 症例報告 経静脈栄養離脱後4年でビタミンB12欠乏性巨赤芽球性貧血を発症した短小腸の1例
  • ショウレイ ホウコク ケイ ジョウミャク エイヨウ リダツ ゴ 4ネン デ ビタミン B12 ケツボウセイキョセキ ガキュウセイ ヒンケツ オ ハッショウ シタ タンショウチョウ ノ 1レイ

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抄録

患児は7歳2月の男児.日齢1で回腸閉鎖,胎便性腹膜炎のため開腹され,空腸結腸吻合が行われた(残存空腸70cm).2歳8月で経静脈栄養より離脱したが,6歳過ぎから原因不明の高ビリルビン血症がみられ,その後全身倦怠感や運動時の息切れが出現した.血液検査で貧血(大球性高色素性)を認め,血中葉酸は正常だがビタミンB_<12>(VB_<12>)は71pg/mlと低値で,抗内因子抗体および胃壁細胞抗体は陰性であった.以上からVB_<12>欠乏性巨赤芽球性貧血と診断した.経静脈的にVB_<12>を投与し貧血は速やかに改善した.文献上,術後のVB_<12>欠乏性巨赤芽球貧血は吸収部喪失以外の原因でも生じ,発症に長期間を要し,貧血の発生を術時の残存腸管長から予測することは困難であった.短小腸例では長期の経過観察が重要と考える.

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参考文献 (23)*注記

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