中枢側気管支腔内に発症したアスペルギローマの1例

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タイトル別名
  • A Case of Pulmonary Aspergilloma Developing in a Central Bronchus

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抄録

背景.気管支腔内発症のアスペルギローマは症例数が少なく,治療は外科的に切除されることが多い.症例.48歳,男性.慢性骨髄性白血病急性転化に対して1年6ヵ月前に化学療法および骨髄移植を施行,さらに1年前,イマチニブ内服に加えドナーリンパ球輸注療法を受け,その後は寛解状態が維持されていた.2ヵ月前に微熱,咳嗽,喀痰を生じ,抗菌剤で治療されたが症状がとれないため胸部CT検査を受けた.左B^<10>の拡張があり,その内部に径1cm大の軟部陰影を認めた.気管支内視鏡検査では左B^<10>腔内を充填する灰白色調の隆起性病変を認め,臨床病理学的検討によりアスペルギローマと診断した.その後,気管支内視鏡下にバルーンカテーテルを用いて菌球除去を行った.ボリコナゾールの内服を継続し,菌球除去12ヵ月後の時点で再発は認めていない.結論.気管支腔内発症のアスペルギローマに対し,気管支内視鏡でこれを除去し再発を認めていない1例を報告した.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 32 (4), 327-331, 2010

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (15)*注記

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