内視鏡的バルーン拡張術と外科的治療が有用であった挿管後気管狭窄症の1例

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タイトル別名
  • A Case of Post-intubation Tracheal Stenosis Successfully Treated by Balloon Bronchoplasty and Surgical Treatment

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抄録

背景.挿管後気管狭窄症は外科的治療が第一選択とされるが,近年では内視鏡的治療の有用性も報告されている.症例.34歳,女性.2007年,咳を主訴に近医を受診した際,気管支喘息として治療を受けた.2008年12月,抗精神病薬の大量内服のため気管挿管され,3日間の人工呼吸管理が施行された.2009年1月,発熱と呼吸困難を認め,感染による気管支喘息の増悪として治療された.しかしながら呼吸困難は改善せず,胸部CTで高度の気管狭窄を指摘されたため,2009年2月,当院へ救急搬送された.気管支内視鏡下にバルーン拡張術を行い気道を確保した.気管狭窄の原因となる器質的疾患を認めず,気管挿管約1ヵ月後の胸部X線写真で挿管前には認めなかった気管狭窄を認めたため,挿管後気管狭窄症と診断した.バルーン拡張術後に狭窄部肉芽除去瘢痕拘縮除去術を施行し,再発なく経過良好である.結論.挿管後の気管狭窄症に対して,内視鏡的治療に外科的治療の追加が有用であった.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 32 (4), 342-346, 2010

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (6)*注記

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