5.味覚・うま味と自律神経活動(<総説特集>摂食機能と味覚・うま味の関連-5)

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タイトル別名
  • Autonomic neural responses induced by taste -umami stimulation
  • 味覚・うま味と自律神経活動
  • ミカク ウマミ ト ジリツ シンケイ カツドウ

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抄録

食物を口に入れると、食物に含まれる栄養素をはじめとする化学成分の情報が味覚情報として中枢神経系に運ばれ、食欲そして摂食行動の調節が行われる。この味覚情報は、同時に反射性に自律神経活動を変化させ、唾液分泌や胃・腸の消化機能を調節する。味覚刺激が反射性に唾液分泌を促進する効果については今日までに検討されているが、今回各被験者の味覚感受性を考慮した形で分泌促進効果を調べ、苦味を除く4基本味すべてが高い唾液分泌促進効果を有し、うま味は効果が持続する特徴があるとの結果が得られたので紹介する。また、同時に心電図記録を行い、心拍の揺らぎから味覚刺激時の自律神経活動の動態を分析した結果、うま味刺激による副交感神経活動の亢進と、苦味刺激による交感神経活動の亢進が認められた。このことから、うま味刺激は迷走神経を介する胃腸機能の促進を生じ、苦味刺激はストレスを生じる可能性が示唆されたので報告する。

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