イリアン・ジャヤからのCallictita属(シジミチョウ科)の1新種の記載

書誌事項

タイトル別名
  • A New Species of Callictita BETHUNE-BAKER (Lepidoptera, Lycaenidae) from Irian Jaya, Indonesia
  • イリアン・ジャヤからのCallictita属(シジミチョウ科)の1新種の記載〔英文〕
  • イリアン ジャヤ カラ ノ Callictitaゾク シジミチョウカ ノ 1

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抄録

Gallictita属はすべての種がニューギニアに分布し,8種が含まれる(PARSONS,1986).筆者らは大英博物館(BMNH)に所蔵されている標本の中からイリアン・ジャヤ(Weyland Mts.)産の1新種C.upolaを見い出したので記載した.本種は雄交尾器の形態などから,同じくイリアン・ジャヤ(Wandammen Mts.)に分布するC.albiplagaに最も近縁であると思われる.本属では後翅裏面の褐邑条線のうち中斑が第3室〜第4室で分断,あるいは消失するが,本種ではこれがほぼ連続しており,本属の祖先的な斑紋パターンを維持しているものと考えられる.この斑紋パターンは一見すると,Upolampes属のものとよく似ている.また,本属では雄の前翅表面中室付近に楕円状の広い性斑が現れるが,C.albiplagaでは不明瞭となり,本種ではこれを完全に欠く.Eliot(1973)は同様の性斑を有するアフリカのUranothauma属と本属との近縁性を示唆したが,両属の雄交尾器の形態は顕著に異なっており,今回記載したC.upolaのように性斑を欠くものが存在することから,この性班は同属で独立に生じたものと考えられる.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 39 (4), 259-262, 1988

    日本鱗翅学会

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