Aletia distincta MOOREの再記載とこれに近縁な2新種の記載(鱗翅目・ヤガ科)

  • 吉松 慎一
    Laboratory of Insect Systematics, National Institute of Agro-Environmental Sciences

書誌事項

タイトル別名
  • Identity of Aletia distincta MOORE with Descriptions of Two New Species (Lepidoptera, Noctuidae)
  • Aletia distincta Mooreの再記載とこれに近縁な2新種の記載(鱗翅目・ヤガ科)〔英文〕
  • Aletia distincta Moore ノ サイ キサイ ト コレ ニ

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抄録

Aletia distinctaはMOORE(1881)によりダージリンより記載された.Aletia exanthemata MOORE,1888は現在そのシノニムとして扱われている.著者はこれらのタイプ標本を調査する機会に恵まれ,ここに後模式標本を指定するとともに,雄交尾器の比較により,そのシノニム関係が疑いのないことを示した.ところでアジア産のキヨトウ類(Leucania-complex)を調査していたところ,distinctaに近縁な2新種を発見した.1種はインドからのspeciosa sp. n.で,もう1種は台湾産のhannemanni sp. n.である.これら3種の雄は腹部腹方基部に黒色の毛束を持ち,また翅の裏面に銀鱗を備えるが,WARREN(1913)はdistinctaの他にそのような形質を備えるものとしてインド・オーストラリア区より9種を挙げている.本論文で扱った3種の形態的差異は以下のとおりである.外見的な差としては,distinctaの前翅はほぼ一様な黄褐色だがspeciosaでは外横線にそって黒褐色の帯があり,hannemanniでは前翅中央部が黒褐色となる.雄交尾器においてはcucullusの形態およびcoronal spineの配列の仕方,cornutiの長さ等がこれら3種の主な区別点となる.Speciosaの雌は未知であり,他の2種の雌の交尾器はductus seminalisのcervix bursaeにおける付着位置等により区別することができる.

収録刊行物

  • 蝶と蛾

    蝶と蛾 42 (1), 37-45, 1991

    日本鱗翅学会

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