完全内臓逆位症に併発した黄色性肉芽腫性胆嚢炎に対し腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した1例

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  • Laparoscopic Cholecystectomy in a Patient with Xanthogranuromatous Cholecystitis and Situs Inversus Totalis

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抄録

症例は71歳の女性で,パーキンソン病とバセドウ病で通院中,体重減少を自覚し精査を受けた.胆嚢底部に腫瘤性病変を指摘され手術目的で外科紹介となった.各種画像診断により完全内臓逆位症を伴う黄色肉芽腫性胆嚢炎と術前診断し腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.トロッカーは通常とは対称の位置に挿入し,double-handsで施行した.特に右手操作用のトロッカーは腹腔内を観察後に胆嚢から距離をとるように左鎖骨中線季肋下3横指に挿入することで容易に施行しえた.術中胆道造影および術中迅速組織診を施行し,胆道系に異常がないことと胆嚢に悪性所見のないことを確認した.手術時間は134分で安全に完遂できた.術後経過良好で術後6日目に退院した.黄色肉芽腫性胆嚢炎と完全内臓逆位症に対し,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した症例は,検索しえたかぎり本邦1例目であり文献的考察を加え報告する.

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参考文献 (46)*注記

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