書誌事項

タイトル別名
  • ADENOCARCINOMA OF THE RETE TESTIS. A CASE REPORT
  • 症例報告 精巣網腺癌の1例
  • ショウレイ ホウコク セイソウモウセンガン ノ 1レイ

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抄録

症例は80歳男性.2年前からの左陰嚢の無痛性腫大を主訴に来院した.左陰嚢は弾性硬で血中AFP,CEA,β-hCG,LDHはすべて基準値内であった.またMRIで左陰嚢水腫と精巣内部の壊死が疑われた.その後来院されず4カ月後に痛み,食欲不振,全身倦怠感が出現し他院を受診した.PETスキャンを施行され左精巣腫瘍および肺,リンパ節の転移を指摘されて紹介された.左陰嚢は硬く腫大し,皮膚は一部発赤と糜爛を認めた.左精巣腫瘍の診断にて左高位精巣摘除術と陰嚢皮膚の合併切除を施行した.肉眼的所見では陰嚢水腫は明らかでなく精巣は精巣上体も含めて白色の硬く肥厚した組織に囲まれており,内部は固ゆで卵の黄身様に黄色に変色していた.病理組織検査の結果精巣門に発生した腺癌で,精巣周囲および皮下へと浸潤していたが陰嚢表皮までは露出していなかった.また精巣白膜への浸潤はなく精巣内へは癌は達していなかった.<br> 診断後胸腹部CTを施行したところ多発肺転移と長径3cm大の左傍大動脈リンパ節転移を認めた.本人が積極的な治療を希望されなかったため対症療法のみを行っている.4カ月後に左鼠径部に局所再発をきたしたが8カ月現在生存中である.<br>

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参考文献 (29)*注記

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