血清IgE低値でアレルゲンが明瞭でない重症喘息にオマリズマブが奏効した1例

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タイトル別名
  • A CASE OF SEVERE ASTHMA RESPONSIVE TO OMALIZUMAB TREATMENT DESPITE A LOW SERUM IGE LEVEL AND LACK OF SENSITIZED ALLERGENS
  • 症例報告 血清IgE低値でアレルゲンが明瞭でない重症喘息にオマリズマブが奏効した1例
  • ショウレイ ホウコク ケッセイ IgE テイチ デ アレルゲン ガ メイリョウ デ ナイ ジュウショウ ゼンソク ニ オマリズマブ ガ ソウコウ シタ 1レイ

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抄録

症例は49歳女性.高用量吸入ステロイド(フルチカゾン1000μg/日+シクレソニド800μg/日),サルメテロール吸入(100μg/日),ベタメサゾン内服(1mg/日)を中心とする多剤併用療法にても喘息コントロールが得られない重症難治性喘息であった.血清総IgE値は9(IU/mL)と低値で,明らかな通年性アレルゲンも認められなかったが,患者同意のもと2009年8月からオマリズマブ150mgを投与し,喘息症状やピークフロー(PEF)の改善を認めた.体重増加と全身倦怠感にて2回投与後に休薬したところ喘息症状が悪化した.2010年1月からオマリズマブの再投与を行い,喘息症状とPEFの著明な改善が認められた.効果は投与後約3週間持続し,6回目の投与後にはベタメサゾン内服を0.5mg/日に減量できた.オマリズマブ投与前後6ヵ月間の比較では,オマリズマブ治療により定期外受診などの喘息関連イベントは減少し,経口ベタメサゾン内服量も投与前の64%に減量できた.血清IgE低値でアレルゲンが明瞭でない重症難治性喘息に対して,オマリズマブが奏効した示唆に富む1例と考えられた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 59 (11), 1572-1579, 2010

    一般社団法人 日本アレルギー学会

参考文献 (21)*注記

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