気胸を契機に胸腔鏡で確定診断を得た気管支・肺・胸膜病変を有するサルコイドーシスの1例

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タイトル別名
  • A Case of Sarcoidosis with Pneumothorax Involving the Bronchi, Lung and Pleura Diagnosed by Video-assisted Thoracoscopic Surgery

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抄録

背景.肺および気管支病変を有するサルコイドーシス(以下サ症)症例が気胸を併発したため胸腔鏡で根治術と肺生検を施行した.症例.27歳男性.乾性咳嗽を主訴に近医を受診した.胸部X線で両肺野にびまん性浸潤影を認め,当院呼吸器内科に紹介された.胸部CTやガリウムシンチなどの画像診断でサ症が疑われた.肺機能検査は混合性障害を呈し,気管支鏡検査で複数の末梢気道に狭窄・閉塞を認めた.理学所見・画像所見から臨床的にサ症と診断し,ステロイド導入予定であったが,気胸を併発し,呼吸器外科へ紹介となった.結果.胸腔鏡で嚢胞と肺実質病変を含めた肺尖部の部分切除を行った.その際,肺尖に索状の癒着と,その壁側胸膜付着面に複数の小孔を認めた.切除肺の病理組織検査でサルコイド結節が確認された.術後ステロイドが導入され,呼吸機能は改善した.結語.気胸を併発した肺サ症に対し,胸腔鏡を用いることにより,診断と治療を同時に行うことが可能であった.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 32 (6), 534-540, 2010

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (15)*注記

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