接着性材料を用いた根管充填の内部に発生した空隙の評価

  • 坂上 斉
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食機能保存学講座歯髄生物学分野
  • 吉岡 俊彦
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食機能保存学講座歯髄生物学分野
  • 須藤 享
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食機能保存学講座歯髄生物学分野
  • 花田 隆周
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食機能保存学講座歯髄生物学分野
  • 石村 瞳
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食機能保存学講座歯髄生物学分野
  • 吉岡 隆知
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食機能保存学講座歯髄生物学分野
  • 須田 英明
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食機能保存学講座歯髄生物学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Assessment of Voids in Root Filling with Dentin Adhesive Materials

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抄録

本研究の目的は,象牙質接着性シーラーであるMetaSEAL™およびEpiphany® SE™を用いて根管充填を行い,シーラー内の空隙の発生について検討することである.被験歯として,単根管性ヒト上顎小臼歯42本を用いた.あらかじめ歯冠を除去し,歯根長を12mmに調整した.被験歯をMAF#40および#80の2群に21本ずつ無作為に分け,根管形成を行った.次いで,下記のとおり,両群の被験歯をそれぞれA〜Cの3群(各群n=7)に無作為に分けて根管充填した. A群ガッタパーチャポイント(GP)+RoekoSeal Automix®:垂直加圧充填法 B群GP+MetaSEAL™:単一ポイント根管充填法 C群Resilon™+Epiphany® SE™:垂直加圧充填法 根管充填終了後,cone-beam computed tomographyを用いて被験歯を撮影した.その後,歯軸に垂直な水平断面画像,および歯軸と平行な頬舌断面画像を積算したRaySum画像を作成し,ファインキューブビューアV7およびノート型パーソナルコンピュータ上に提示した.それらの画像の評価は,3名の歯科医師によって行った.すなわち,各実験における空隙の位置,数および投影面積について,「MAF」および「根管充填方法」を要因とした二元配置分散分析およびTukey-Kramer testを用い,有意水準5%にて統計学的に解析した.空隙の位置,数および投影面積については,「MAF」に関する統計学的な有意差は認められなかった.また,1歯当たりの根管壁に面しか空隙の平均発生数についても,「根管充填方法」に関する有意差は認められなかった.しかしながら,シーラー内部に限局した空隙の1歯当たりの平均発生数については,「根管充填方法」に関し,B群がA群よりも有意に多かった(p<0.05).さらに,1歯当たりの空隙の平均投影面積について,「根管充填方法」に関し,B群がA群よりも有意に大きくなった(p<0.05).MetaSEAL™を用いて単一ポイント法で根管充填を行った場合,垂直加圧根管充填法と比較し,シーラー内部に限局した空隙の数,および空隙の投影面積が増加した.

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参考文献 (24)*注記

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