関東州における少年犯罪

書誌事項

タイトル別名
  • The Juvenile Delinquency in Kantou-shu
  • カントウシュウ ニ オケル ショウネン ハンザイ

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抄録

昭和19年、関東州では、内地の大正12年公布の少年法と条文を一部変更したのみの少年令が公布された。関東州は若年層が圧倒的多数で、ここから若年層向けの政策が社会治安にも大きな影響をあったと思われる。少年令は、内地の少年法をほぼ踏襲したもので、特に、日本人が多く住む関東州にそれが勅令として公布された。関東刑務支所の受刑者(関東刑務支所「昭和10年所務要覧」昭和11年発行)では、18歳未満の受刑者は全体の4.6%、18-20歳未満は全体の6.3%、20歳以上30歳未満が全体の50.6%であった。20歳未満の者で全体の10.9%、30歳未満の者は全体の61.5%と過半数を占めた。関東州の人口は29歳以下が1,081,220人で65.3%を占めるが、30歳未満の人口が多い中、人口に比例した受刑者の年齢比率であった。また、窃盗が少年犯罪の多くを占めるのは、内地、他の植民地と変わらなかった。関東州では、主に方面委員が児童少年保護を行っていた。施設としては救世軍育児ホーム、鎌倉保育園を挙げることができる。

収録刊行物

  • 人間文化研究

    人間文化研究 10 125-137, 2008-12-23

    名古屋 : 名古屋市立大学大学院人間文化研究科

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