Cre/loxP システムを利用したアデノウィルス二重感染法による自殺遺伝子誘導

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タイトル別名
  • The suicide gene introduction using two recombinant adenovirus vectors with HER2 promoter and Cre/loxP system

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抄録

 HER2プロモーターを用いて,Cre/loxP システムを利用したアデノウィルス二重感染法による自殺遺伝子導入を計画し,治療効果を検討した.胃癌細胞株 MKN-7 で,同種株 MKN-28 よりも HER2蛋白の発現が大であった.次に,HER2 発現腫瘍細胞特異的に Cre を発現する AxHER2NCre 及び Cre 存在下に自殺遺伝子 Cytosine deaminase (CD) を発現する AxCALNCD の二つのアデノウィルスベクターを作製した.各細胞に,ベクターを二重感染させた群 (誘導群) ではAxCALNCD のみを感染させた群よりも CD mRNA 及び CD蛋白の発現量が大であった.5-fluorocytosine (5-FC) をプロドラッグとした抗腫瘍効果を検討したところ,各細胞において濃度依存的に細胞増殖抑制効果が認められ,HER2高発現株である MKN-7 では MKN-28 よりも強い抑制効果を認めた.本方法は,他の HER2発現腫瘍細胞においても適応できるものと考えられた.

収録刊行物

  • 弘前医学

    弘前医学 61 (2-4), 150-158, 2011

    弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会

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