大量出血を呈した子宮破裂合併帝王切開術において回収式自己血を用いた1例

書誌事項

タイトル別名
  • Blood salvage managed a critical hemorrhage during cesarean section with uterine rupture accompanied with placenta accreta
  • <Case Study> BLOOD SALVAGE MANAGED A CRITICAL HEMORRHAGE DURING CESAREAN SECTION WITH UTERINE RUPTURE ACCOMPANIED WITH PLACENTA ACCRETA
  • Case study: Blood salvage managed a critical hemorrhage during cesarean section with uterine rupture accompanied with placenta accrete

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抄録

 大量出血を呈した子宮破裂合併帝王切開術で回収式自己血が有用であった1例を報告する.患者は帝王切開既往の30才.妊娠29週で突然の腹痛・血圧低下・胎児仮死を認め緊急帝王切開となった.麻酔はサイオペンタール・サクシンで導入し,胎児娩出後はプロポフォール・フェンタニル・ケタミンで維持した.執刀後子宮破裂と診断され,胎盤娩出後も出血は持続しすぐに輸血血液不足に陥り追加血液を要請した.追加血到着までに 10000 ml 以上の出血を認め,回収式自己血輸血を施行した.総出血量は 20190 g で大量の輸血を必要とした.帝王切開における回収式自己血は羊水塞栓の点から懸念されていたが,安全性や有用性について多数の報告がある.稀ではあるが帝王切開では生命を脅かすような大量出血が見られることがあり,大量輸血を要するが血液が迅速に十分に手に入らないこともある.回収式自己血は帝王切開の際にも血液供給の一手段として積極的に考慮されるべきと思われる.

収録刊行物

  • 弘前医学

    弘前医学 61 (2-4), 159-162, 2011

    弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会

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