身体運動時の光源色温度がヒトの生理機能と主観評価に与える影響

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タイトル別名
  • Effect of Color Temperature of illumination During Exercise on Physiological Functions and Subjective Responses
  • シンタイ ウンドウジ ノ コウゲンショク オンド ガ ヒト ノ セイリ キノウ ト シュカン ヒョウカ ニ アタエル エイキョウ

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抄録

本研究の目的は、ヒトに運動負荷をかけるとき、光源色温度がヒトの生理機能、主観評価に及ぼす影響を探求し、運動負荷における適切な光源を選択するための生理学的根拠を提供するものである。実験は室温25℃、相対湿度50〜60%の照明実験室で行った。照度は1000lxに設定し、色温度はそれぞれ3000K、5000Kと7000Kであった。10名の健康な男子大学生が本実験に参加した。異なる光源色温度条件のもとで、それぞれ50Wと100Wの2種類の運動をする前、運動中と回復期間中の酸素摂取量、心拍数、収縮期血圧と拡張期血圧を測定した。また、平均動脈圧を計算し、直腸温と7か所の皮膚温も測定して平均皮膚温度を計算した。主観評価は「やる気」、「集中力」、「リラックス」、「安静」、「明るさ」、「落ち着き」、「眠気」、「疲労」の8項目を行った。その結果、7000K色温度時の被験者の心拍数、収縮期血圧、拡張期血圧及び平均脈動圧などの生理パラメータは3000K色温度と5000K色温度時より明らかに高いことと、運動負荷後の回復速度が遅いことが明らかになった。さらに、他の条件と比べ、3000K色温度時の高腸温の上昇が有意に大きいことと、運動後の回復が遅いことも認められた。被験者の主観評価を分析した結果、7000K時の「明るさ」、運動直後の「疲労」は最も高く、「リラックス」は最も低いことが分かった。同時に、3000K時の「眠気」は最も高いが、「集中力」は最も低いことと、5000k時の「やる気」は最も高いことも示された。これらの結果から、ヒトに運動負荷をかけた場合、5000K色温度の光源が自律神経系の安定性あるいは心理的バランスを保つという点において、一番良い効果を持っていることが示唆された。

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