モルトマンにおけるキリスト教的反ユダヤ主義とキリスト論

• 森山 徹

書誌事項

タイトル別名

• Christian anti-Judaism and Christology in Moltmann
• モルトマン ニオケル キリストキョウテキ ハンユダヤ シュギ ト キリストロン

抄録

「アウシュヴィッツ以後」、ユダヤ教とキリスト教の関係を考えた神学者や研究者たちは、キリスト論とキリスト教的反ユダヤ主義の共犯関係を批判してきた。しかし、これらの批判は、キリスト教的反ユダヤ主義の根源的な克服を要求するあまり、しばしばキリスト論までも毀損してきた。本稿の目的は、モルトマンのキリスト論とキリスト教的反ユダヤ主義の関係を明らかにすることにある。モルトマンは、イスラエルの歴史に基づくメシア理解と、十字架につけられたイエスの理解から、「途上のキリスト論」を主張する。このキリスト論によって、彼は、キリスト教的反ユダヤ主義を相対化するだけでなく、キリスト論をも保持することを可能にした。アウシュヴィッツとキリスト教の関係を問題にしている神学者ロイ・エッカートは、モルトマンのキリスト論を「先延ばしされた勝利主義」として批判した。しかし、モルトマンは、途上のキリスト論が、キリスト教的反ユダヤ主義と勝利主義を克服し、キリスト論を保持するのだと主張した。

収録刊行物

• 基督教研究

  基督教研究 71 (2), 75-94, 2009-12-03

  基督教研究会

キーワード

• アウシュヴィッツ以後
• ユダヤ教とキリスト教
• キリスト教的反ユダヤ主義
• キリスト論

詳細情報

• CRID: 1390853649843733888
• NII論文ID: 110008464200
• NII書誌ID: AN00063325
• DOI: 10.14988/pa.2017.0000012446
• NDL書誌ID: 10517122
• ISSN: 03873080
• Web Site: https://doshisha.repo.nii.ac.jp/records/21389
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I10517122
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • IRDB
  • NDL
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用可