透析歴20年以上の患者における腎移植の成績~自治医科大学での症例~

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  • Kidney Transplantation for Patients on Long-Term Dialysisat Jichi Medical University Hospital
  • トウセキレキ 20ネン イジョウ ノ カンジャ ニ オケル ジンイショク ノ セイセキ ジチイカ ダイガク デ ノ ショウレイ

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抄録

わが国における透析患者は増加の一途をたどっており,それに伴い長期透析患者も増加している。今回,自治医科大学附属病院で施行した透析歴20年以上の腎移植症例を臨床的に検討した。2003年4月から2009年12月まで当院で施行した腎移植94例中,透析歴20年以上の4例を対象とし,透析歴20年未満の90例と比較検討した。免疫抑制療法は生体腎移植,献腎移植ともタクロリムス・シクロスポリン,ミコフェノール酸モフェティル,メチルプレドニゾロンにバシリキシマブを加えた4剤併用療法とした。長期透析例は2010年3月まで全例生存,生着している。しかし,1例に抗体関連型拒絶反応を認め,全例にサイトメガロウイルス抗原血症を認めた。また,1例に腎部分壊死とリンパ漏,1例にリンパ漏が合併した。周術期合併症は高頻度であったが,急性期を過ぎると移植成績は短期透析患者の成績と同等であった。

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