後期高齢者における新規要介護認定の発生と5m歩行時間との関連:39ヵ月間の縦断研究

  • 牧迫 飛雄馬
    国立長寿医療研究センター 認知症先進医療開発センター 在宅医療・自立支援開発部 自立支援システム開発室
  • 古名 丈人
    札幌医科大学保健医療学部
  • 島田 裕之
    国立長寿医療研究センター 認知症先進医療開発センター 在宅医療・自立支援開発部 自立支援システム開発室
  • 赤沼 智美
    美唄市役所
  • 吉田 裕人
    東京都健康長寿医療センター
  • 井平 光
    札幌医科大学大学院保健医療学研究科
  • 横山 香理
    美唄市役所
  • 鈴木 隆雄
    国立長寿医療研究センター研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between 5-m Walking Time and the Need for Long-term Care Among Community-dwelling Adults Aged Above 75 Years : A 39-month Longitudinal Study

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抄録

【目的】75歳以上の高齢者における新規要介護認定の発生に対する歩行能力の影響を明らかにすることを目的とした。【方法】要介護認定を受けていない75歳以上の地域在住高齢者190名を対象とした。ベースライン調査として5m歩行時間(通常速度)を測定し,以降39ヵ月間の要介護認定発生状況との関連を調べた。【結果】39ヵ月間で34名(17.9%)が新規に要介護認定を受けた。5m歩行時間を男女別に4分位で速い群から遅い群のⅠ〜Ⅳ群に分類し,要介護発生率曲線の差をLog-rank検定にて検討した結果,5m歩行時間が遅いⅣ群(男性5.2秒以上,女性5.8秒以上)では,それ以上に速い歩行速度を有する群(Ⅰ〜Ⅲ群)と比べて有意に高い要介護認定発生率を認めた(p < 0.01)。Cox回帰分析の結果,新規要介護の発生と有意な関連を認めた変数は,BMIと5m歩行時間(秒)であり,5m歩行時間のハザード比は1.65(p < 0.01)であった。【考察と結論】地域在住後期高齢者の歩行速度は,将来の要介護認定発生に影響を与える要因のひとつであることが確認された。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 38 (1), 27-33, 2011-02-20

    日本理学療法士学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (29)*注記

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