感染後過敏性腸症候群の概念(シンポジウム:脳腸相関と腸管炎症,2010年,第51回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(仙台))

書誌事項

タイトル別名
  • Concept of Post-infectious Irritable Bowel Syndrome (PI-IBS)(Symposium/Brain-Gut Interactions and Gut Inflammation)
  • 感染後過敏性腸症候群の概念
  • カンセン ゴ カビンセイ チョウ ショウコウグン ノ ガイネン

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抄録

急性胃腸炎感染後に過敏性腸症候群が発症しやすいことが明らかになり,この病態を感染後過敏性腸症候群(post-infectious irritable bowel syndrome:PI-IBS)と呼んでいる.PI-IBSという概念はその発症契機が感染であると推測されるため,IBSの病態を理解するうえで,新しい手がかりとなりうる.PI-IBSの主な便通型は下痢優位である.ラット急性腸炎モデルでは,腸管炎症寛解後も持続性の消化管平滑筋収縮運動の亢進が示されている.しかし,PI-IBS患者における詳細な病態生理はまだよく調べられていない.このような発症様式がほぼ推定できる病態であるPI-IBSの概念の確立は,複雑なIBSの病態生理の理解あるいは治療法開発に大きな役割を果たすのではないかと思われる.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 51 (4), 309-311, 2011

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (9)*注記

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