キトサン,D-(+)-グルコサミン誘導体を配位子とする金属錯体存在下でのジエチル亜鉛の芳香族アルデヒド類への触媒的不斉付加反応

DOI 機関リポジトリ Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Asymmetric addition of diethylzinc to aldehydes catalyzed by metal complexes with chitosan and D-(+)-Glucosamine derivatives as a ligand
  • キトサン D-(+)-グルコサミン ユウドウタイ オ ハイイシ トスル キンゾク サクタイ ソンザイカ デノ ジエチル アエン ノ ホウコウゾク アルデヒドルイ エノ ショクバイテキ フセイ フカ ハンノウ

この論文をさがす

抄録

キトサンはD-グルコサミンがβ-(1,4)結合した天然に大量に存在するバイオポリマーであるが、きわめて不溶なため化学的変換は困難である。一方、キトサンはキチンの脱アセチル化で選られ、酸性条件で可溶となる。これはまた、光学活性をもち、キラル源として利用することが期待される。キトサンのそのモノマーであるD-グルコサミンを有機溶媒に可溶化させるために変換して、アルデヒドへのジエチル亜鉛の不斉付加反応の配位子として用いることを検討した。まず、化学修飾キトサンを合成し、配位子としての利用を試みた。ベンズアルデヒドとジエチル亜鉛の反応でキチンやキトサンを用いるとラセミ体の1-フェニル-1-プロパノールを与えたが、N-フタロイル-6-O-トリチルキトサンを用いると反応は加速され、61%のエナンチオマー過剰率で(R)-1-フェニル-1-プロパノールが得られた。次に、D-(+)-グルコサミン誘導体を合成し、配位子として用いた。ベンジル-2-アセチルアミノ-4,6-O-アニシリデン-2-デオキシ-α-D-グルコピラノシドとチタン錯体が反応を加速し、各種アルデヒドとジエチル亜鉛の不斉付加反応において、高収率、94%に達するエナンチオ選択性で(R)-1-フェニル-1-プロパノールが得られ、最も効率のよい触媒であることが分かった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ