「すれ違う人が美しい」街、裏原宿の街区構造 : Agent-Based Modelling を援用した歩行者行動の分析

書誌事項

タイトル別名
  • スレチガウ ヒト ガ ウツクシイ マチ ウラハラジュク ノ ガイク コウゾウ Agent Based Modelling オ エンヨウ シタ ホコウシャ コウドウ ノ ブンセキ
  • Watching street fashion in Uraharajyuku : an agent-based modeling of pedestrian movement

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抄録

最先端のストリートファッションによって海外からも注目を集めている裏原宿では、観光客はアパレル小売店で買い物をするだけではなく、街ですれ違う歩行者のおしゃれな服装を見ることも目的であると考えられる。本研究は、仮想空間上で歩行者の買い物行動に関するシミュレーションを行ない、歩行者同士がすれ違う回数に影響を与える店舗の配置パターンについて検討を行なった。店舗の配置を5パターン設定したシミュレーションの結果、正方形の街区の四隅に店舗が立地している場合に、街区内で歩行者がすれ違う回数が最も多いことが判明した。これは、街区の出入口から店舗までの距離が長く、歩行者が長時間街区内に滞留しているためである。また、街区の四隅に店舗がある場合には、歩行者のとる経路が分散し、特定の街路に歩行者が集中しないことも明らかになった。裏原宿における実際の街区の構造を見てみると、仮想空間の四隅に相当する外周部に集客力のある店舗が立地しており、街区の中で歩行者がすれ違う回数は多いと考えられる。また、実際の裏原宿においても歩行者のとる経路が分散し、特定の街路に歩行者が集中しないことによって、すれ違う他人のファッションを余裕を持って観察できる環境が整っていることが示唆された。

収録刊行物

  • 観光科学研究

    観光科学研究 (2), 39-48, 2009-03-30

    首都大学東京 大学院都市環境科学研究科地理環境科学専攻 観光科学専修

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