肺癌との鑑別に苦慮した肺クリプトコッカス症の1例

  • 山本 純
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器外科
  • 服部 有俊
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器外科
  • 島内 正起
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器外科
  • 橋詰 寿律
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器外科
  • 梅津 泰洋
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院臨床研究部
  • 田中 徹
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器内科
  • 蛸井 浩行
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器内科
  • 谷田貝 洋平
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器内科
  • 林 士元
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器内科
  • 関根 朗雅
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器内科
  • 林原 賢治
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器内科
  • 斎藤 武文
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器内科
  • 水渡 哲史
    独立行政法人国立病院機構茨城東病院呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Pulmonary Cryptococcosis Mimicking Lung Cancer

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抄録

背景.健常者に発症する原発性肺クリプトコッカス症は臨床所見上,肺癌との鑑別が困難なことがあり,胸腔鏡下肺生検により初めて診断に至ることがしばしばある.症例.51歳男性.人間ドックで右肺に異常陰影を指摘され前医を受診した.胸部X線写真で右肺尖部2か所に異常陰影が認められ,当院を紹介受診した.血清クリプトコッカス・ネオフォルマンス抗原で抗体とも陰性で,腫瘍マーカーもすべて正常範囲内であった.胸部CTでは肺尖部の胸膜直下に連続性のない2個の腫瘤を認めた.気管支鏡検査を行い,右B^1aより擦過・洗浄細胞診の検体を採取したところ,擦過細胞診にてclass IIIで腺癌を否定できない所見であった.胸腔鏡下肺生検を実施し,原発性肺クリプトコッカス症と診断した.術後fluconazole (FLCZ) 200mg/dayを3か月内服し治療終了とした.現在,外来通院中で,再発兆候なく健在である.結論.肺癌が疑われた原発性肺クリプトコッカス症の1例を経験した.胸部画像所見および気管支鏡所見上,肺癌が否定できない症例においては積極的な胸腔鏡下肺生検が有用であると考える.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 33 (2), 124-128, 2011

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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