中等症持続型喘息患者に対するブデソニド/ホルモテロール配合剤固定用量治療による抗炎症効果等の臨床的有用性に関する検討

  • 放生 雅章
    国立国際医療研究センター国府台病院呼吸器科:国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
  • 水谷 友紀
    国立国際医療研究センター国府台病院呼吸器科
  • 飯倉 元保
    国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
  • 杉山 温人
    国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
  • 小林 信之
    国立国際医療研究センター病院呼吸器内科
  • 工藤 宏一郎
    国立国際医療研究センター病院呼吸器内科

書誌事項

タイトル別名
  • CLINICAL STUDY CONCERNING ANTI-INFLAMMATORY EFFECT OF FIXED DOSE THERAPY BY BUDESONIDE/FORMOTEROL COMBINATION INHALER FOR MODERATE PERSISTENT ASTHMATICS
  • チュウトウショウ ジゾクガタ ゼンソク カンジャ ニ タイスル ブデソニド ホルモテロール ハイゴウザイ コテイ ヨウリョウ チリョウ ニ ヨル コウエンショウ コウカ トウ ノ リンショウテキ ユウヨウセイ ニ カンスル ケントウ

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抄録

【背景・目的】ブデソニド/ホルモテロール配合剤(BUD/FM配合剤)の喘息に対する固定用量治療の有用性に関する海外からの報告は多いが,既存のフルチカンゾン(FP)/サルメテロール(SM)配合剤(SFC)や他のICS・LABA併用症例と,その気道炎症治療効果を比較した試験は少なく,新たなエビデンスの創出が待たれる.【方法】SFCを含むICS(FP換算200〜500μg/日)とSM 100μg/日を6ヵ月以上併用治療しwell control以上の中等症持続型喘息患者を対象に,BUD/FM配合剤640/18μg/日に切替えた4,8週後の呼気中一酸化窒素(FeNO)を主評価項目に,喘息コントロールテスト(ACT)スコア,呼吸機能,発作治療薬の治療回数等を切替え前と比較検討する.【結果】対象は前治療がSFC(250)16例,ICS+SMのうちBUD 400+SM 100μg/日が19例等の合計41例.ACTスコアは22.22±1.57から23.88±1.57,FeNOは44.0±26.5から31.3±15.4ppbと8週後に有意な改善を認め(各々p<0.01,paired-t検定),23例(56%)でトータルコントロールを達成した.呼吸機能は変化が認められなかった.1回/週以上の発作治療薬使用者は13名いたが,BUD/FM配合剤導入後8週目には1名もいなくなった.【結論】BUD/FM配合剤はSFCあるいはBUD+SMの前治療群に対して速やかな気道炎症治療効果を有し,喘息予防・管理ガイドライン2009におけるコントロール良好の達成に有用な薬剤と考えられた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 60 (5), 575-585, 2011

    一般社団法人 日本アレルギー学会

参考文献 (38)*注記

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