虚血再灌流で誘発されたしびれ感覚に関与する求心性神経の検討

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  • Examination of the nerve fibers responsible for the paresthesia after ischemia-reperfusion

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抄録

虚血再灌流により誘発されるしびれ感覚に関与する神経線維を明らかにするために,神経線維の選択的刺激による閾値測定および微小神経電図法により,虚血再灌流後の求心性線維活動を検討した.同意の得られた健常成人を対象に,非利き手側第2指および手関節背側で正弦波刺激(5,250,2000Hz)による電流知覚閾値(CPT)を測定し,また正中神経から微小神経電図を記録した.しびれ感覚は同側上腕部をカフで200mmHgにて15分間加圧後開放して誘発し,VASにより電気的に連続記録した.虚血再灌流後250Hz(Aδ線維刺激)では,しびれ感覚をほとんど感じない背側よりもしびれ感覚が最も強く誘発された第2指でCPTが有意に上昇し,2000Hz(Aβ線維刺激)では,有意な上昇が認められたが部位差はなかった.微小神経電図法でAβ線維のSAユニットにおける群発放電が観察されたが,その放電はしびれ感覚の発生から約60秒遅れて発現した.これらのことから,虚血再灌流によるしびれ感覚にはAβ線維だけでなくAδ線維ならびに何らかの液性因子の関与する可能性が示唆された.(著者抄録)

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