下腹部痛と尿閉にて発見された10歳処女膜閉鎖症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Imperforate Hymen Presenting With Abdominal Pain and Urinary Retention in a 10-Year-Old Girl
  • 症例報告 下腹部痛と尿閉にて発見された10歳処女膜閉鎖症の1例
  • ショウレイ ホウコク カフクブツウ ト ニョウヘイ ニテ ハッケン サレタ 10サイ ショジョ マク ヘイサショウ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

症例は10歳女児.強い下腹部痛と尿閉を主訴に小児科救急外来を受診した.当初,腹部X線検査と腹部超音波検査にて腹腔内腫瘤が疑われたが,腹部CTおよび局所所見より処女膜閉鎖症による腟留血腫と診断し,MRIにて合併奇形のないことを確認した.手術では閉鎖した処女膜を輪状切開し,粘稠な旧血性内容液を350ml排出させた後,処女膜の切開縁を全周性に縫合した.術後経過は良好で,定期的な月経の発来を認めている.本症は比較的まれな疾患であり,新生児期および思春期に発見されることが多い.思春期例では外陰部の視診が躊躇されがちで,診断が遅れることがある.下腹部痛を主訴とする初潮未発来の年長女児においては,鑑別診断として本疾患を念頭におき,外陰部の視診を必ず行うことが重要である.

収録刊行物

参考文献 (13)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ