生体肝移植10年後にRoux-Y脚を軸とする小腸捻転を来した1例

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タイトル別名
  • Small Bowel Volvulus Around the Roux Limb Axis 10 Years After Living-Donor Liver Transplantation
  • 症例報告 生体肝移植10年後にRoux-Y脚を軸とする小腸捻転を来した1例
  • ショウレイ ホウコク セイタイ カン イショク 10ネンゴ ニ Roux Y キャク オ ジク ト スル ショウチョウ ネンテン オ キタシタ 1レイ

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抄録

症例は10歳,女児.生後5か月時に胆道閉鎖症にて葛西手術を施行後,経過不良のため生後9か月で外側区域グラフトを用いた生体肝移植術を施行された.移植術後10年目に急激な腹痛,嘔吐にて発症した.臍右側に圧痛を認め,造影CTでwhirl signを認めた.小腸捻転と診断し手術を施行したところ,Roux-Y脚の横行結腸間膜貫通部の右側には回盲部が挙上して癒着,左側には空腸起始部が癒着していた.この癒着部で腸間膜が狭小化し,小腸全体が反時計方向に270°捻転していた.腸管壊死は認めず,捻転を解除し癒着を可及的に剥離した.術後8日目に再発し再手術を施行.前回と同様に捻転していたため,捻転を解除し回盲部と空腸起始部を後腹膜に固定した.再手術後の経過は良好である.肝移植後,同様な癒着による小腸捻転の報告はない.乳児期のため回盲部が挙上し,このような病態が生じたと考えられ,乳児期の肝移植では注意を要する.

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参考文献 (24)*注記

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