完全内臓逆位症に合併した遊走脾茎捻転症の1例

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タイトル別名
  • Torsion of Wandering Spleen in Situs Inversus Totalis
  • 症例報告 完全内臓逆位症に合併した遊走脾茎捻転症の1例
  • ショウレイ ホウコク カンゼン ナイゾウ ギャクイショウ ニ ガッペイ シタ ユウソウヒケイ ネンテンショウ ノ 1レイ

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抄録

症例は11歳の男児.完全内臓逆位症,両大血管右室起始症,単心室の診断でFontan手術施行の既往があり,抗凝固療法を継続していた.今回,右上腹部痛が出現し,CT上回盲部と思われる部位が右上腹部に存在し,糞石様の石灰化を認めたため,腸回転異常症を伴う虫垂炎を疑った.全身状態が落ち着いており,抗凝固療法を行っていたため,保存的に加療したが,翌日には痛みが腹部全体へ波及したため,緊急開腹術を施行した.開腹時,虫垂に炎症所見は認めず,脾臓が720度捻転していた.捻転解除後も血流の改善がみられず,脾臓摘出術を施行した.脾捻転症は,茎捻転を来たすと緊急手術の対象となり得る疾患であるが,本症例では,内臓逆位,腸回転異常を伴っていたことから診断に苦慮した.内臓逆位に合併した脾捻転症の報告は非常に稀であるが,急性腹症に対し,本症の可能性も考慮することが必要と考えられた.

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参考文献 (26)*注記

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