前縦隔腫瘍との鑑別を要し,胸腔鏡下に摘出した肺葉外肺分画症の1例

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タイトル別名
  • Extralobar Pulmonary Sequestration : Presenting as an Anterior Mediastinal Tumor

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抄録

背景.肺葉外肺分画症は比較的稀な先天異常であり,左の横隔膜直上部に発生することが多い.今回我々は,前縦隔に腫瘤様陰影を形成し,画像上前縦隔腫瘍との鑑別を要した肺葉外肺分画症の1例を経験したので報告する.症例.61歳男性.集団検診にて胸部異常陰影を指摘され受診.明らかな自覚症状なし.胸部CTにて前縦隔左側に内部に嚢胞様の所見を認める45×25mm大の楔状の腫瘤を認めた.胸腺腫などの前縦隔の腫瘍性疾患を否定できないことから,胸腔鏡補助下に手術を行うことになった.腫瘤は縦隔胸膜に覆われた赤色,弾性軟の腫瘤であり,内胸動脈から血流の供給を認めた.迅速診断に提出したところ,肺葉外肺分画症と診断された.結論.肺葉外肺分画症は前縦隔に発見されることがあり,前縦隔の腫瘤性病変の鑑別診断として考慮すべきである.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 33 (3), 168-171, 2011

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (7)*注記

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