34年前の気管挿管が原因と考えられた気管狭窄に対して気管形成術を行った症例

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タイトル別名
  • A Case of Tracheoplasty for Tracheal Stenosis Due to Previous Endotracheal Intubation 34-years Ago

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抄録

背景.34年前の手術における気管挿管が原因と考えられた気管狭窄に対して,気管形成術を行った症例を経験したので,報告する.症例.67歳,女性.33歳時に子宮筋腫に対して全身麻酔下に手術を施行された.その直後に呼吸器症状が出現したが放置.今回,上気道炎を契機に急激に呼吸困難が増悪し,精査により気管狭窄を指摘された.内視鏡的バルーン拡張術が行われたが,気管裂傷を併発しさらに気道浮腫による呼吸不全を呈したため気管挿管を施行.観血的治療が必要であると考え,気管管状切除・再建(気管形成術)を行った.現在,術後約2年を経て経過良好である.結論.本症例は34年間をかけて緩徐に気管狭窄が進行し,症状が発現したものと考えられた.気管挿管の既往がある患者で呼吸器症状が出現した場合は,気管狭窄を起こしている可能性も考慮して診療を進める必要があると思われる.また,高度の気管狭窄に対しては,気管形成術の適応を考慮すべきと考えられた.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 33 (4), 261-266, 2011

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (10)*注記

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