Posterior quadrantectomyを実施した片側巨脳症の1例

  • 戸田 啓介
    独立行政法人国立病院機構長崎医療センター脳神経外科
  • 馬場 啓至
    独立行政法人国立病院機構長崎医療センター脳神経外科
  • 小野 智憲
    独立行政法人国立病院機構長崎医療センター脳神経外科

書誌事項

タイトル別名
  • Posterior Quadrantectomy for Hemimegalencephaly: A Case Report

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抄録

症例は生後間もなく大田原症候群と診断された7ヵ月の男児.神経学的には四肢の運動麻痺を認めなかったが,右同名半盲が示唆された.頭部MRIでは左頭頂後頭葉・側頭葉を中心に片側巨脳症の所見を認め,発作間欠時ECD-SPECTでは同部位の血流は低下していた.発作間欠時脳波では,左後頭部に持続する鋭波が記録された.眼球が右へ偏位し意識減損する発作が頻回となったため,左頭頂後頭葉・後側頭葉の離断術(後方1/4離断posterior quadrantectomy)を実施した.術後,神経学的所見の悪化はなく,術後2年6ヵ月経過したが発作は消失している.皮質形成不全や片側巨脳症などで一側頭頂・後頭・側頭葉にてんかん焦点を認める症例では,大脳半球離断術を応用した後方離断が有用である.

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参考文献 (17)*注記

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