高血圧・冠動脈疾患とうつ(シンポジウム:抑うつと生活習慣病,2010年,第51回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(仙台))

  • 稲光 哲明
    医療法人にゅうわ会及川病院緩和ケア・心療内科

書誌事項

タイトル別名
  • Hypertension and Coronary Heart Disease : Their Relationship with Depression(Symposium/Relation between Depression and Life Style-related Disease)
  • 高血圧・冠動脈疾患とうつ
  • コウケツアツ カンドウミャク シッカン ト ウツ

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抄録

種々の生活習慣病にうつ病が合併することが知られている.循環器領域においても,高血圧や冠動脈疾患で抑うつが高頻度で認められ,もとの疾患の予後を悪くすることが知られている.元来,抑うつは行動面における危険因子として生活習慣病の原因になると考えられていたが,最近の研究では,抑うつによってもたらされる自律神経,内分泌,免疫系の変化が直接,生活習慣病の引き金になることがわかってきた.そこで,冠動脈疾患に伴う抑うつに対する積極的な介入の効果が検討されているが,うつ病治療は抑うつ症状には効果がみられるものの,冠動脈疾患の予後を必ずしも改善しないという結果が出ている.生活習慣病に伴う抑うつ症状は,心臓疾患とうつ病を別々に治療するのではなく,身体的・行動的・心理的・社会的な面からの全人的なアプローチが重要である.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 51 (10), 896-901, 2011

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (11)*注記

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