ラジェシュ・S.ジャラの「火葬場のこどもたち」 : インドのカースト制度下位の生活観察

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  • Rajesh S. Jala's Children of the pyre : observing life at the bottom of India's caste system
  • ラジェシュSジャラの火葬場のこどもたち : インドのカースト制度下位の生活観察

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抄録

1947年のインド独立後の数十年間、インドにおけるドキュメンタリー映画製作は、ネルー首相の国家建設プロジェクトの代名詞となった。ドキュメンタリー製作者は、製鋼所やダムなど当たり障りのない映画を作り、カースト制度や不可触賤民など議論を呼ぶテーマを避けてきた。その結果、インドにおけるドキュメンタリーは厳しく批判される分野となった。最近では、新興世代の映画製作者が、カースト制度や不可触賤民などのインドの負の側面を観察することに乗り出した。ラジェシュ・S.ジャラは、経済大国、現代インドが抱える社会的・文化的問題を調査し報道しようとする、若手監督世代の一人である。ジャラの受賞作品「火葬場の子供たち(2008)」は、インドの最も混雑する火葬場である、マニカーニカガットで死体を火葬させられるヴァラナシのドムの不可触賤民の子供たちの生活を描いている。本稿では、ジャラがどのようにして映画を製作するに至ったのかを考察し、無力なコミュニティについて記録することによって生じる道徳的含意を検討する。

収録刊行物

  • 言語文化

    言語文化 14 (2-3), 209-233, 2012-01-20

    同志社大学言語文化学会

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