銅酸化物高温超伝導体の擬ギャップ : 超伝導の敵?,それとも味方?(最近の研究から)

書誌事項

タイトル別名
  • Energy Gap in the High-T_c Copper Oxide : One Gap or Two Gaps?(Current Topics)
  • 銅酸化物高温超伝導体の擬ギャップ : 超伝導の敵?,それとも味方?
  • ドウ サンカブツ コウオン チョウデンドウタイ ノ ギギャップ : チョウデンドウ ノ テキ?,ソレトモ ミカタ?

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抄録

銅酸化物高温超伝導体では,超伝導臨界温度(T_c)より遥か高温からエネルギーギャップが開き始めることが知られている.我々は,T_cより高温で開くギャップが,単一ではなく,2種類存在し,互いに競合していることを見出した.一方は,T^*から開き始める"擬ギャップ"で,超伝導相とは異なる秩序状態に起因して発現する.他方は,T^*より低温(T_<pair>)で開き始める"電子対形成ギャップ"で,電子対の形成に伴い発現する.擬ギャップの発達により電子対の形成が抑制された結果,それらがボーズ凝縮する温度(T_c)が低下することが明らかとなった.

収録刊行物

  • 日本物理学会誌

    日本物理学会誌 66 (12), 923-927, 2011-12-05

    一般社団法人 日本物理学会

参考文献 (31)*注記

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