食道癌術後に気道狭窄を来した気管腫瘍に対しアルゴンプラズマ凝固(APC)治療と放射線照射により良好な経過を得た1例

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タイトル別名
  • A Case of Airway Stenosis Caused by Tracheal Tumor After Surgery of Esophageal Cancer Which Was Successfully Treated with Combined Argon Plasma Coagulation Therapy and Radiotherapy

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抄録

はじめに.気管の悪性腫瘍に対する根治的治療としては外科的治療が望ましいが,緊急時にはアルゴンプラズマ凝固(APC)のような早急な処置が必要となる症例も存在する.症例.66歳,男性.胸部上部食道癌で右開胸開腹食道亜全摘術(後縦隔胃管再建)を施行し術後補助化学療法を追加した.その後呼吸困難を伴う喘鳴を主訴に受診,気管分岐部及び左主気管支をほぼ閉塞する気管腫瘍を認めた.腫瘤は広基性で末梢側の観察は不可能だった.気道の閉塞を危惧しAPCによる焼灼術を施行,さらに数日後,腫瘍基部の不整粘膜残存に対し再度APC焼灼術を施行,その後放射線療法を追加施行した.術後の病理組織診で扁平上皮癌と診断された.現在,術後32ヵ月間無再発経過観察中である.結論.今回,APCでの安全な腫瘍切除と,癌の浸潤を考慮した放射線治療の追加で,良好な結果を得られた.腫瘍の深達度によってはAPCと放射線療法は有用な治療法の一つであると考えられる.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 33 (6), 447-451, 2011

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

参考文献 (6)*注記

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