脳卒中患者の自覚的視性垂直位

  • 西村 由香
    北海道文教大学人間科学部理学療法学科:札幌医科大学大学院保健医療学研究科
  • 吉尾 雅春
    千里リハビリテーション病院
  • 松本 博之
    北海道文教大学人間科学部理学療法学科
  • 小塚 直樹
    札幌医科大学保健医療学部理学療法学科

書誌事項

タイトル別名
  • Study of the Subjective Visual Vertical Deviation in Stroke Patients
  • ― Pushing現象と半側空間無視に着目した自覚的視性垂直位の特徴―
  • Features of SVVD from the Standpoint of Ipsilateral Pushing and Spatial Neglect

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抄録

【目的】本研究は,環境からの視覚情報をなくした独自の自覚的視性垂直位(Subjective visual vertical,以下,SVV)検査装置を用いて,脳卒中患者のSVVの特徴を明らかにすることを目的とした。【対象と方法】健常成人50名,脳卒中患者53名(右片麻痺例21名,左片麻痺例32名;pushing現象13名,半側空間無視15名)にSVV検査を実施した。脳卒中患者のSVVの特徴を,基準範囲との対比,健常者のSVVとの比較によって確認した。【結果】基準範囲は-3.93°〜2.77°で,基準範囲を超えた患者は18名(右片麻痺例3名,左片麻痺例15名),34%であった。pushing現象に関わらず,半側空間無視によって左片麻痺例のSVVは有意に反時計回りに偏位した(p<0.05)。SVVとpushing現象の相関関係は認められなかった。両障害をもつ左片麻痺例のSVV絶対値(平均7.37°)は,どちらの障害もない左片麻痺例(平均2.44°)と有意差があった(p<0.05)。【結論】Pushing現象と半側空間無視の重複障害例のSVV偏位は顕著に大きいが,SVVとpushing現象との関連は小さいことが示唆された。

収録刊行物

  • 理学療法学

    理学療法学 38 (7), 516-523, 2011-12-20

    日本理学療法士学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (21)*注記

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