沿岸砕波帯における海塩粒子の生成・輸送に関する数値モデルの構成

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  • Modeling the Generation and Transport of Sea-Salt Particles in Surf Zones
  • エンガンサイハタイ ニ オケル カイエン リュウシ ノ セイセイ ・ ユソウ ニ カンスル スウチ モデル ノ コウセイ

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抄録

沿岸部の陸上地形,海岸・海底地形,植生分布,人工構造物の影響を考慮した塩害(海塩濃度)予測システムを構想し,LAWEPSデータによる移流拡散計算とSWANによる波浪シミュレーションを結合した.LAWEPSデータの特性を活かすため,一般曲線座標を用いた拡散移流モデルを提案した.また波浪状態から海塩フラックス量を評価するため,海塩フラックス量と波浪エネルギー散逸率の関係(フラックス補間式)を推定した. この補間式の特徴はフラックス粒径分布が[積算フラックス]×[規格化粒径分布]の形で,2種類の情報に分離されている点である.Monahanら(1988),Smithら(1993,1998)によって提案された2つの海塩フラックス実験式に前記補間式を適合させ,補間式係数を求めた結果,2つの補間式は,比例係数のみが異なる,波浪エネルギー散逸率の相似関数であることが導かれた. 海塩濃度観測データとモデル計算を照合した結果,積算フラックスに関する正しい情報はSmithらの実験式に反映されていることが判明した. 次に海岸人工構造物(特に離岸堤)が沿岸付近の海塩濃度に及ぼす影響についてシミュレーションを行い,観測データとの照合により数値モデルの検証を行った.その結果,観測された海塩濃度の大部分は汀線・離岸堤付近で最大になる砕波から生成される海塩粒子に起源をもつこと,離岸堤は一般に汀線付近の砕波を抑制し沿岸付近の海塩濃度を減少させるが,同時により広域の海岸後背地に海塩粒子を拡散させる影響を併せ持つことが判明した.

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