急性期病院における転倒・転落症例の要因分析について

書誌事項

タイトル別名
  • Accidental fall patient's factor analysis in acute hospital
  • 急性期病院における転倒・転落症例の要因分析について : 理学療法士の立場からの検討
  • キュウセイキ ビョウイン ニ オケル テントウ ・ テンラク ショウレイ ノ ヨウイン ブンセキ ニ ツイテ : リガク リョウホウシ ノ タチバ カラ ノ ケントウ
  • Examination from physical therapist's standpoint
  • 理学療法士の立場からの検討

この論文をさがす

抄録

本研究は,過去1年5ヶ月間に当院において,転倒・転落事故を起こした症例の要因分析と予防対策後の転倒・転落率の推移を調査することを目的とした. 転倒・転落予防マニュアルに沿った予防対策と転倒・転落チームのラウンド以降,転倒は徐々に減少傾向にあったが,各年度の統計的有意差は認められなかった.また要因分析から,スリッパの使用,ベッド柵の不備,80歳以上の後期高齢者,入院1週間以内と1ヶ月経過時,認知障害を認める患者,深夜から早朝にかけての時間帯,自室内のベッド周囲,排泄行動に関する立ち上がりやしゃがみ動作時,車椅子への移乗時に転倒・転落が多く認められた.結論として,これらの要因分析を念頭においた対策を考える必要があると思われる.また,入院時点で認知症状に問題が無く,排泄行動が自立と評価された症例に転倒・転落が多かった.入院後早期に廃用症候群による身体機能低下が発生しやすいことや環境の変化による不穏や徘徊,認知症状を発症していることが推測されるため,病棟看護師が頻回に病室を訪問し状態の観察を行い,状況に応じてリハビリテーション科スタッフが介入する事が予防対策の一手段になると思われる.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ